谷根千、坂と路地の街

日暮里駅から歩いて十分、谷中の坂道に着きます。谷中、根津、千駄木。この三つの町をまとめて谷根千と呼びます。下町の路地は細く、坂は急です。戦災を免れた町並みには、小さな店が並び、本屋もその一つとして残っています。

西日暮里・古書ほうろう

西日暮里の古書ほうろうは、路地の奥にある古書店です。店の前に椅子が置かれ、買った本をすぐに読めます。古本の棚には、文学、歴史、美術の本が並び、奥の部屋では小さな展示も開かれています。私は文庫を二冊、五百円で買いました。

古書ほうろうの店内には、喫茶コーナーもありました。買った本を、そのまま読んで帰れる。店の前の椅子に座ると、下町の人が行き交います。本と街をいっしょに楽しめる店です。

谷中銀座の小さな本屋

谷中銀座商店街は、日暮里駅から続く下町の商店街です。肉屋、乾物屋、駄菓子屋が並ぶ中に、小さな本を扱う店があります。店先の箱には、百円の文庫が並んでいます。観光客も地元の人も、同じように箱をのぞき込みます。

谷中銀座の本は、暮らしの中にあります。料理の本、育児の本、旅行の本。観光客向けの本より、地元の人の生活に近い本が並びます。

根津神社の参道と、古書店

根津神社の参道を歩くと、古い書店が並んでいました。ここは以前から古書店の多い場所で、文学の本を扱う店が残っています。森鴎外が住んだ土地でもある千駄木は、文士の街としての顔を持っています。

千駄木、文士の街の本

千駄木の団子坂を上がると、出版社や編集者が集まっていた歴史のある場所です。今も小さな出版社の書店が、坂の途中にあります。下町の本屋は、街の記憶を棚に並べているように見えます。

団子坂は、かつて文士たちが歩いた坂です。今は、その雰囲気が残る古書店と、小さな出版社の書店が並んでいます。坂を上がるほど、本の街らしくなります。

夕暮れの下町、灯りの本屋

夕暮れ、谷中の坂から見える夕日は有名です。灯りがつき始めた商店街で、もう一冊買いました。下町の本屋は、観光の場所ではなく、暮らしの場所にあります。だからこそ、長く続いているのだと思います。

下町の本屋は、看板が小さい店が多い。だから、歩いていて「あ、本屋だ」と気づく感覚が好きです。街の中に本屋を見つけるたび、その街との距離が近くなります。