郊外の本屋、街の真ん中
多摩の街を歩くと、駅前に本屋が残っていることに気づきます。都心のような大型店ではなく、個人が営む小さな書店。地元の人が顔なじみになる本屋が、多摩にはまだたくさんあります。国立と三鷹の本屋を、歩いてみました。
国立・かもめブックス、駅前の棚
国立駅の南口を出ると、かもめブックスがあります。ガラス張りの店には新刊が並び、奥には絵本の棚と小さなカフェがあります。この店が開店してから、国立の駅前は本を手に取る人の風景で変わりました。私は文庫を一冊買い、隣の席で読み始めました。
かもめブックスの棚は、新刊の中に、どこか懐かしい本が混ざっています。店主が「この街で読みたい本」を選んでいるからでしょう。買った文庫は、店のカフェで開きました。駅前の本屋が、読書の時間までくれる。それがこの店の魅力です。
三鷹・BOOKSルーエ、地域の本屋
三鷹のBOOKSルーエは、昭和から続く個人書店です。新刊の品揃えは街の本屋らしく、絵本から実用書までを幅広く扱っています。地域の学校や図書館と付き合いながら、長く続いてきた店。店員さんが客の顔を覚えている、懐かしい空気が残っています。
BOOKSルーエの店内には、地域の作家のコーナーがあります。三鷹にゆかりのある人の本や、地元の出版社の本。大きな書店では埋もれてしまう一冊が、この店では主役です。
多摩の駅前、書店の時間
多摩の駅前は、再開発で姿を変えてきた場所も多いですが、本屋は街の記憶を保つ役割をしています。立川や国分寺のように大型書店が入った街もあれば、個人店が中心の街もあります。どちらも、駅から歩いて数分の場所にあります。
多摩の駅前は、歩く人の生活に合わせて店が開きます。朝の通勤の時間、昼の買い物の時間、夕方の帰宅の時間。本屋もそのリズムに合わせて、棚を作っています。
公園と本、多摩の読書
買った本を手に、近くの公園のベンチで開きました。郊外の読書は、時間がゆっくり流れます。都心の書店では急いで選んでしまう本も、ここでは表紙を見て、帯を読んで、じっくり選べます。
郊外の本屋が残すもの
郊外の本屋は、売れる本だけを並べるのではなく、その街に合う本を並べます。だから、なくなると街の風景が変わってしまいます。多摩の本屋を歩いて、本屋は街の一部として残るものだと、改めて思いました。