再開発のあと、本屋の顔が変わった

小田急線が地下化され、線路の跡地に下北線路街が生まれてから、下北沢の街の表情は確実に変わりました。ミカン下北沢のような新しい商業施設ができ、その一方で、路地には昔ながらの小さな店も残っています。本屋もまた、新しく生まれ変わった顔と、ずっと変わらない顔の両方を見せてくれます。まずは駅から徒歩数分の範囲で、個性の違う三軒を歩いてみましょう。

本とビールの店、本屋B&B

北沢2丁目の住宅街にある本屋B&Bは、「本とビール」がコンセプトの書店です。昼の12時から夜中の12時まで開いていて、買った本を店内のカウンターでビールと一緒に楽しめます。棚のセレクトは新刊中心で、哲学やデザイン、エッセイの品揃えが充実しています。平日の夕方にふらりと立ち寄ると、仕事帰りの人たちがそれぞれのペースで本を眺めていて、街の「夜の読書時間」を支えているのが伝わってきます。

深夜まで開く古本屋、古書ビビビ

駅から歩いて数分の路地にある古書ビビビは、午後4時に開いて深夜2時まで営業する古本屋です。500円前後の棚から、ちょっと変わった雑誌や文庫まで、品ぞろえは自由奔放。夜遅くまで本を探せる古本屋は、東京でも珍しい存在です。店内に流れる音楽も含めて、この店の空気は「遊び心」でできています。ライブ帰りに立ち寄る人も多いと聞いて、納得しました。

ヴィレッジヴァンガードと街の雑食性

駅前のヴィレッジヴァンガードは、本と雑貨が混ざった大型店です。新刊の話題作から、お笑いやサブカルチャーの本まで、幅広い棚が並びます。下北沢という街はもともと、音楽、古着、演劇と雑食でできています。本屋もその例に漏れず、ひとつの「ジャンル」に収まらない店が多いのが魅力です。新しい店も古い店も、同じ通りで混ざり合っているのがこの街らしいところです。

小さな本屋の見つけ方

下北沢で小さな本屋を見つけるコツは、大通りではなく路地に入ること。南口と北口では空気が違い、南口の裏手には個人経営の古本屋や古着屋が点在しています。看板が小さくても、灯りがついていれば入ってみる。地図アプリではなく、足と目で探すほうが、この街ではうまくいきます。思わぬ一冊との出会いは、だいたいそういう店にあります。

下北沢の読書時間

買った本を読みたくなったら、路地の喫茶店へ。下北沢には昔ながらの喫茶店がいくつも残っていて、ゆっくり時間を使うことが許されています。古着を眺めて、レコードを聴いて、最後に本を開く。下北沢の一日は、その順番がちょうどいい。小さな本屋が何軒も並ぶ街は、東京でもそう多くありません。次に下北沢へ行くときは、ぜひ路地の奥まで歩いてみてください。